「自宅に安置している間は、お線香の火を絶やさないように、誰かがずっと起きていなければならないのでしょうか」。
ご高齢のご親族から「寝ずの番」の話を聞き、体力的に自分たちにできるだろうかと不安に思われるご家族からのご相談は少なくありません。
昔ながらの風習には深い意味がありますが、現代の家族葬においては、ご遺族の体調を最優先に考えた過ごし方が選ばれるようになっています。
「寝ずの番」の風習と、現代の考え方
かつては、お線香の香りで空間を清めるため、また、夜に獣や虫が寄り付かないようにするために、交代で夜通し起きている「寝ずの番」が行われていました。
しかし、住環境が整った現代においては、そうした心配はほとんどありません。
ご家族の皆様は、看病の疲れや、深い悲しみ、そして各種の手続きなどにより、心身ともに疲労が蓄積している状態です。無理をして体調を崩してしまっては、落ち着いてお別れの日を迎えることができなくなってしまいます。
そのため、夜は無理をせず、いつも通りにお布団でゆっくりと休んでいただくことをお勧めしています。
お線香の火の管理について
夜間に休まれる際、最も気をつけなければならないのが火の元の管理です。
就寝中やお部屋を離れる際は、安全のためにろうそくやお線香の火を消していただいて全く問題ありません。「火を絶やしてはいけない」というお気持ちが強い場合は、長時間(約12時間)燃え続ける専用の「渦巻き線香」をご用意することもできます。
また、近年では火を使わない電池式のLED線香やLEDろうそくを利用し、安全に配慮しながらお参りの空間を整えるご家庭も増えています。
ご自宅だからこそできる、温かい夜の過ごし方
ご自宅での安置の最大の魅力は、時間の制限がなく、周りの目を気にしなくて良いことです。
お棺のすぐそばにお布団を敷いて、故人様と一緒に休まれるご家族も多くいらっしゃいます。深夜にふと目が覚めた時、静かにお顔を見ながら言葉をかけたり、お好きだった音楽を小さな音で流したり。
「寝ずの番」という義務感からではなく、ごく自然な形で最後の夜を同じ空間で過ごせるのは、自宅葬ならではの温かい時間です。
無理のない形でお過ごしください
お葬式の準備や風習について、親族間で意見が分かれることもあるかもしれません。大切なのは、今を生きるご家族が無理なく、後悔のないお別れができるかどうかです。
「うちの場合はどう過ごすのが負担が少ないだろう」と迷われたときは、ご家庭の状況に合わせてアドバイスをさせていただきます。少しでもご不安を取り除き、穏やかな夜を過ごせるようサポートいたします。
この記事に関連するよくあるご質問
- 夜中、ずっと誰かが起きていなければいけませんか?
- いいえ、無理に起きている必要はありません。ご遺族は心身ともに疲れが溜まっている時期ですので、夜はしっかりと睡眠をとっていただくことをお勧めしています。
- お線香の火が火事にならないか心配です。
- 安全のため、ご就寝の際はお線香の火を消していただいて構いません。長時間燃え続ける「渦巻き線香」をご用意することもできますし、火を使わない電気式のお線香・ろうそくを使用するケースも増えています。
- 故人様と同じ部屋で布団を敷いて寝てもよいですか?
- はい、全く問題ありません。お棺のそばにお布団を敷いて、最後まで同じ空間で休まれるご家族も多くいらっしゃいます。ご自宅だからこそできる、温かい過ごし方です。
- 安置中、部屋の温度やエアコンはどうすればよいですか?
- お身体の状態を保つため、エアコン等で室温を低めに設定していただきます。その際、冷風が直接故人様やご家族に当たらないよう、風向きを調整して快適な環境を作ります。
- 親族が交代で泊まり込みに来るべきでしょうか?
- 必ずしも泊まり込みの必要はありません。ご自宅の広さやご家族の負担を考慮し、「夜は同居のご家族だけでゆっくり過ごす」と判断される方も増えています。
